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【閉店】井筒屋重久(京都市下京区)

         井筒屋重久

このブログでは残念ながら閉店してしまった老舗などについても記録として留めようと思いアップしていきます。今回記事にしたのは2010年に閉店してしまった京都の井筒屋重久。茶道をされておられる方はこの店やお菓子を御存知の方も多いかと思います。それぐらい茶人や和菓子好きの間では有名なお店でした。

店とは言ってもお菓子は完全予約制だったので店構えといったものはありません。辛うじて井筒屋の表札があってそれで井筒屋重久だと分かる、そんな感じのお店でした。ただ訪れた方は御存知だと思いますが扉を開けると鰻の寝床ではありませんが奥行きがあって屋敷があります。元は京都府庁周辺に店や屋敷があり、広大な敷地を誇っていたそうです。というのも井筒屋重久の初代は足利将軍家に仕えていた平井加賀守秀名で、没落後は秀吉の客将として大坂城で過ごしていましたが大阪の陣勃発前に大坂城を退去し京都へ移り御所や大名などを相手に蕎麦屋を始めたようです。


             井筒屋重久

秀名は元々足利将軍家や信長などに仕えてきた武将ですから茶の湯にも造詣が深かったはずで、蕎麦を作る際に残ったそば粉でお菓子を作ったそうです。それが如心松葉という肉桂を含ませた繊細な干菓子でした。表千家七代如心斎が好みだったので如心の名があり、井筒屋重久はこの如心松葉だけで400年近く商いを続けて来られました。

実は前々から現当主で終わりだという話は和菓子好きの間では有名な話でしたし、奥さんからも息子さんが跡を継ごうかと言ってくれたそうですが儲けにならないからと申し出を断ったという話も伺っていましたが、店を閉じるまでもう少し時間はあるだろうと思っていました。「平井秀名が初代なんですよね?」と聞く伺うと奥さんがすごく喜んで下さり逆質問された思い出があります。そしていい話を聞かせてもらったからと如心松葉をタダでもう一箱貰った記憶も(笑) ただもうこの如心松葉を食べることも見ることももう出来なくなってしまいました。

            
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コメント

[C342] 懐かしいお店です。

井筒屋重久さん、懐かしいお店です。
小さい頃から川端道喜や植村義次などに連れて行ってもらった事もあって、学生時代から茶道を始めた私は京都の銘菓を訪ね歩いていました。
今のようにネットで検索出来るわけでなく、図書館や古いお店から教えてもらったりして訪ねていました。
井筒屋重久さんは直ぐに見つけられないような店構えで、本当に此処?と心配しながらお伺いしたのを思い出します。
如心松葉は表千家の正式の茶事で使われる菓子ということで、手間を惜しまずに守っておられました。
亀屋伊織の干菓子とこの如心松葉は雅味があって本当にお茶のある銘菓だと思います。(主菓子では道喜が秀逸ですが。)
私も歴史が好きなので奥様と色々とお話しさせていただき喜んでいただいた事が昨日のように思いおこされます。
けん様のブログには他の菓子屋の検索でたどり着きました。
色々と勉強させていただきたいと思っています。
ただ、東京のお店の紹介で店の言うことを鵜呑みにされていて確実に誤りだと思う項目があり憂慮しております。
  • 2020-09-24 20:21
  • 杓庵
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[C343] 杓庵さん

はじめまして、コメントありがとうございます。

晩年は地方発送にも対応されていましたが如心松葉一本ではやはり厳しかったと思いますし新たなお菓子を開発せず如心松葉と共にお店の長い歴史に幕を閉じたというのもひとつの美学のように思えています。

お店を閉じられてから一度店の前を通ったことがありましたが建物は健在、ちょうど奥さまが出ていらしてたのを見かけました。数年前のことですが如心松葉を受け取りに行った時のことを改めて思い出しました。

  • 2020-09-25 21:17
  • けん
  • URL
  • 編集

[C344] ありがとうございます。

如心松葉を守る為にも半生菓子をスーパーなどに納めてられました。
本当に歴史も由緒も有るお店が無くなり、言ったもの勝ちで詐欺紛いの嘘をついても平気な店もあります。
けん様の様に歴史にご造詣がある方は正しい事を発信されたいと思っておられると思います。
どの様にしてお伝えすれば良いのでしょうか?
  • 2020-09-25 23:39
  • 杓庵
  • URL
  • 編集

[C345] 杓庵さん

コメントありがとうございます。

拙ブログは歴史と旅(街歩き)のガイドブックというか、知るきっかけになってくれたらいいな、をある意味コンセプトにしていますのでどうしても必要最低限の情報のみとなってきます。また趣味でやっている個人ブログであるため情報の一部に関しては残念ながら店側が公表しているものに頼らざるを得ない部分があります。嘘かどうかは何とも言えませんが言っていることに疑問を感じる店は確かにあります。ただ個人が趣味で書いているブログでは記述内容には限界がある点だけは御理解いただけたらと思います。

和菓子に関して言うと大多数の若い人は残念ながら基本興味はありません。核家族化も進みお彼岸など日本の年中行事に接する機会が減りそれら行事に付き物だった和菓子と接する機会も相当減っているかと思います。老舗などは逆に歴史や伝統が足枷となって勝手に敷居の高さを感じている人もいるはすです。若い人には接点すらない以上業界の先細りは必定、高齢化も進んでいる業界だけに恐らく今のままでは廃業する店は相当数に上るように思います。近年京都の和菓子屋さんを見ていると若い方(特に女性)の視点でこれまでにはなかった新感覚の和菓子を作っている店が増えていますが、そもそも和菓子に興味のない人たちに和菓子を知ってもらう、そこからしなければ行けないのが現状に思います(今思えば植村義次の御主人が作っていた月替わりの押しものなどはその先駆けだったのではないでしょうか)。

私も大学を卒業するぐらいまでは和菓子どころか洋菓子もほぼ口にしなかった人間でした。まずはその存在を知ってもらうこと、そこからほんの少し興味を持ってもらえたら視野は拡がることを個人的には期待して自分なりの情報発信を出来たらと考えております。

  • 2020-09-26 05:48
  • けん
  • URL
  • 編集

[C346] けん様

お返事ありがとうございます。
ブログの趣旨やスタンスは理解しております。
老舗と呼ばれるお店でも歴史、由緒に誇張がある場合もあります。(例えば御所御用の記録から百年三代遡って創業としている等)
ただ、あまりにも根拠も無いでっち上げの来歴由緒を語り消費者を騙すのは悪質だと思います。
ネットで広まると嘘が本当のようになっていくことに危惧しています。
けん様のような歴史にも和菓子にもお詳しい方にだけにでも、私が調べた事を知っておいていただきたいと思っています。
それを元にけん様もお調べになればお判りになると思います。
植村義次のご主人は大変な物知りで、色々な事を教えていただきました。秋には少しづつ紅葉の色を深めていくなど、押し物の月替りのデザインを楽しんで作っておられました。
私が調べた事などをコメント欄にいきなり書くのは憚られますので、管理者にだけ表示を許可するにチェックしてお伝えすれば良いのでしょうか?
  • 2020-09-26 11:57
  • 杓庵
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[C347] 杓庵さん

そうですね、管理者にだけ表示を許可するのボックスにチェック入れていただいたら私しか読めませんのでそちらを利用して送信していただけたらと思いますm(__)m
  • 2020-09-26 17:37
  • けん
  • URL
  • 編集

[C348] 承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

[C349] 杓庵さん

設定変更しました。多分送信可能になったかと思います。

御手数お掛けいたしますがよろしくお願いいたします。


  • 2020-09-27 16:40
  • けん
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けん

Author:けん
戦国武将にまつわる史跡と味のある建築探訪をテーマに暇を見つけては各地を彷徨っている40代前半の会社員(オッサン)です。ノスタルジックなもの・ローカル色強いものを好む習性があります。 


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