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王子稲荷神社(東京都北区)

       王子

関八州のお稲荷さんの総本社である王子稲荷神社。細かい創建年代などは不明ながらも社記に『康平年中、源頼義、奥州追討の砌り、深く当社を信仰し、関東稲荷総司と崇む』と伝わっており、平安朝中頃にはすでに相当の社格を有していたと考えられます。小田原北条氏や徳川将軍家からの信奉篤く、江戸時代は幕府の祈願所として歴代将軍が参拝していました。



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歴代将軍の崇敬篤く三代将軍家光より造営され、五代将軍綱吉、十代将軍家治公がそれぞれ修繕し、十一代将軍家斉は社殿を新規再建するなどしています。残念ながら本殿などは戦災で消失しましたが、写真の拝殿は家斉の時代文政5(1822)年のもので天井には谷文晁の「龍図」の板絵2枚が掲げらていましたが現在はそのうちの1枚は史料館に移され、代わりに院展画家関口正男氏「鳳凰図」が掲げられています。

また柴田是真の「茨木」扁額(重要美術品)が社宝として伝わっていますが、これは天保時代に江戸の砂糖問屋組合が天保の改革で失った砂糖の専売権を取り戻せるよう奉納したもの。その昔京の人々を恐れおののかせていた鬼女を羅生門で征討に向かった渡辺綱により片腕を切られた。その鬼女は綱の叔母に化けて近づき切り落とされた片腕を奪い返すや者の鬼女の姿に戻り宙を蹴って姿を消したという話で歌舞伎などでも有名な物語ですが、この奪い返した腕こそが砂糖問屋組合の専売権というわけです。

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また境内奥にある階段を登っていくと狐の棲んでいたと伝わる穴があり石祠なども建てられ祀られています。大晦日になると関東一円の狐はまず装束榎(現在の装束稲荷神社)に正装を整え女官の姿となり王子稲荷へ官位を求め御参りに行ったとされ、その際の狐火で農作物の吉兆を占ったそうです。

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そして王子稲荷土産として有名なのが暫狐という紙製のからくり玩具。これは9代目市川団十郎が王子稲荷へ演目『暫』の成功祈願をしたところこれが大当たりした故事にちなんだもので、2本の竹串を操作することで中啓を振り「しばら!、しばらく!」とあの名シーンが再現できます。江戸時代後期にはすでに売られていたと言う由緒ある郷土玩具で社務所にて販売されています。


          
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Author:けん
戦国武将にまつわる史跡と味のある建築探訪をテーマに暇を見つけては各地を彷徨っている40代前半の会社員(オッサン)です。ノスタルジックなもの・ローカル色強いものを好む習性があります。 


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